顧客の声から生まれる"世界最細"──TOTOKUの現場発マーケティング戦略

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創業85年の歴史を持つ特殊電線メーカー、株式会社TOTOKU。自動車・半導体・データセンターという成長分野で存在感を発揮し、世界最細クラスの製品を武器にグローバル市場を切り拓いている。その成長の裏には、トップダウンではなく"現場発"を重視するマーケティングと、営業と技術の連携による提案型営業の仕組みがある。牧謙社長に、現場から市場を切り開く実践知を聞いた。

原点は時代の要請に応じた製品づくり

TOTOKUは1940年の創業以来、大手が手掛けない特殊分野に特化してきた。電力ケーブルや通信線の大量生産市場ではなく、時代の要請に応じた製品を世に送り出すことで成長を続けてきた。

「リスクを取って成長せよ」という創業者の言葉は、製品開発だけでなく営業活動にも息づく。他社が追随しにくいニッチ市場を見極め、その市場で高シェアを獲得する戦略は、現在の営業戦略の基礎となっている。

現場から掴むニーズの力

牧社長は「上からの指示で始めた新規事業は外れることが多い」と語る。成功率が高いのは、現場のエンジニアや営業担当が直接拾い上げた顧客の課題だ。

例えば、世界最細クラスの半導体検査用コンタクトプローブは、現場で聞いた「もっと細く、軽くしてほしい」という声から生まれた。顧客が抱える小さな困りごとを的確に把握し、それをすぐに試作・提案へとつなげるスピードが差別化の源泉となっている。

この"現場起点"のアプローチは、営業担当者が単なる情報の伝達役にとどまらず、課題発見と解決提案の両方を担うことを意味する。

営業と技術のシームレスな連携

TOTOKUの組織構成は、営業よりも技術の比率が高い。高性能かつニッチな製品を扱うため、営業担当には高度な技術理解が求められる。

営業は顧客からの要望や課題を持ち帰り、技術部門と密に連携して解決策を作り上げる。このプロセスを繰り返すことで、営業は「提案型営業」からさらに進化し、将来の市場を先取りする"共創パートナー"としての役割を果たす。牧社長は「営業が次や、次の次の製品構想を持ち帰り、会社全体で育てることが重要」と強調する。

グローバル市場でのブランド浸透

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