大日三協の"紙加工発想"経営

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創業以来、紙の総合商社として歩んできた大日三協株式会社。同社は単なる"紙を売る会社"ではなく、紙加工による付加価値創出へと事業領域を広げてきた。背景にあるのは、「人と同じことをしない」という清水邦典社長の強い思想だ。卸売、加工、ノベルティ、オリジナルブランド──。紙市場の縮小が進むなかでも、新たな価値を生み出し続ける同社の営業・商品戦略に迫る。

■Interviewee

大日三協株式会社 代表取締役社長 清水 邦典 氏

紙の卸から"付加価値"へ──大日三協の事業転換

大日三協株式会社は、1961年(昭和36年)創業の紙の総合商社だ。創業当初は、静岡を拠点に特定製紙メーカーの代理店として、関東から東北エリアに向けた紙販売を展開していた。

転機となったのは、清水社長が東京での修業を経て戻ってきた1970年代半ばだった。紙そのものを卸すだけでは価格競争に巻き込まれていく。そんな危機感の中で着目したのが、「紙加工」による付加価値創出だったという。

「人がやっているものではなく、自分たちにしかできないものを作りたかった」

その発想から生まれたのが、紙を活用した販促ノベルティだった。ティッシュケースとして使った後に貯金箱へ再利用できるアイデア商品や、ペンスタンドとして長く使える販促ツールなど、"捨てられない販促物"の企画・開発に取り組んでいった。

さらに同社は、東京インターナショナル・ギフト・ショーなど全国規模の展示会へ積極的に出展。印刷会社や広告代理店だけでなく、多様な業種との接点を広げながら販路を拡大していった。

現在では、紙販売に加え、販促用紙製品、オリジナルブランド商品など複数の事業を展開。静岡本社を軸に、東京・大阪・名古屋・浜松・沼津に拠点を構え、全国へ営業展開を行っている。

「Only One」を生む紙加工──独自商品が営業を変えた

大日三協の強みは、"紙加工発想"にある。

代表的な商品の一つが、「アートブロックメモ」だ。4面の側面にフルカラーのオリジナルデザインをインクジェット印刷で施せる立体的なブロックメモで、単なる事務用品ではなく、デザイン性を持ったプロダクトとして展開されている。

もう一つが、本のように開く紙製の一輪挿し花瓶『Flowery Tale(フラワリーテイル)』。インテリア雑貨ブランド『MECLI(メクリ)』の第一弾商品として2020年に発売され、洋書のようなパッケージから本体を取り出し、ページを開くと花瓶の形状が現れる構造で、国内外で注目を集めた。

これらの商品に共通しているのは、"価格競争から距離を置く"という考え方だ。

「真似された商品は市場価格が決まってしまう。でも、自分たちしかできない商品なら、自分たちで価格を決められる」

清水社長はそう語る。

同社は加工を外注に頼るだけでなく、自社工場への投資も進めてきた。2006年(平成18年)には自社工場と印刷設備を導入し、紙の断裁から印刷、加工まで一貫生産できる体制を構築。現在では約100名体制で、紙の卸販売に約30名、紙加工の販売に約20名、製造に約50名と分業しながら事業を展開している。

特に力を入れているのが、小ロット対応だ。

アートブロックメモは最小20個単位から製作できる。スマートフォンで撮影した画像データを送れば、そのまま商品化できる仕組みも整えた。さらに、インクジェットプリンターに多面付けジグを組み合わせた独自加工機も自社開発。小ロットでも成立するビジネスモデルを構築している。

「最初は100個の注文でも、そこから大きな案件につながることがある。だから小ロットを大事にしたい」

大量生産・大量受注ではなく、"小さなニーズを起点に関係性を作る"こと。それが同社の営業思想でもある。

卸・加工・ブランド──三つの柱で市場変化に向き合う

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