アルファテックスが変える、バックオフィスの未来

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企業の事業活動を支えるバックオフィス。経理や人事、総務、情報システムなど、その業務は表からは見えにくい。しかし、どれか一つでも滞れば、企業は本業に集中できなくなる。

アルファテックス株式会社は、システム開発を起点に、バックオフィス業務の運用や改善へと事業領域を広げてきた。現在、自らを表す言葉として掲げているのが「カイゼンの専門家集団」だ。

同社が目指しているのは、単なる業務代行やシステム導入ではない。顧客の現場に入り、課題を見つけ、技術や業務の仕組みを活用しながら、実際に変化が生まれるところまで共に取り組む。その根底には、創業以来受け継がれてきた「人が主役」という考え方がある。

AIをはじめとする技術革新が進む今、アルファテックスはバックオフィスをどのように変えようとしているのか。代表取締役社長の石川春氏に、同社の強みや顧客との関係づくり、次の3年に向けた事業戦略を聞いた。

■Interviewee

アルファテックス株式会社 代表取締役社長 石川 春氏

経理の会社から「カイゼンの専門家集団」へ

アルファテックスがどのような会社なのかを、一言で説明するのは簡単ではない。

「社員の家族が子どもに『お父さんお母さんってどんな仕事してるの?』と聞かれたときに、答えられない人が多いんです。実は私もその一人で」と石川氏は笑う。事業がシステム開発や業務のアウトソーシング、コンサルティングなど、複数の領域にまたがっているためだ。

しかし、その根底にある考え方は明確である。

「創業者の言葉を借りるなら、世の中のお役に立ちたいということです。社員やパートナー、お客様を含め、アルファテックスに関わる方々が報われるような事業をしていきたい。その思いはずっと変わっていません」

同社は、顧客企業のバックオフィス業務を仕組み化し、より良くすることを通じて、顧客の事業発展に貢献してきた。その姿勢を表す言葉として、近年、繰り返し使っているのが「カイゼン」だ。

あえて漢字ではなく、カタカナで表記している。改善には終わりがなく、一つの課題を解決すれば、次により良くするためのテーマが生まれる。日本を代表する製造業などでも使われるこの言葉に、永続的に高い水準を目指していく意志を込めているという。

「もともと当社が持っていたDNAと、カイゼンという言葉が重なりました。誰かのためにもっと良くなることをしたい。そのために、カイゼンの専門家集団になろうと掲げています」

アルファテックスは、経理業務のシステム化から事業を始め、システム保守、経理周辺業務のアウトソーシングへと領域を広げてきた。一方で、「経理の会社」という見られ方から脱し、総務や人事、情報システムなども含むバックオフィス全体に価値を提供したいという思いがあった。

経理という特定領域ではなく、カイゼンを起点にすることで、対象となる業務は大きく広がる。専門性を持つ対象も、特定の業務知識だけではない。業務の現状を捉え、より良い状態へ変えていくこと自体を専門領域とする考え方だ。

業界の分類でいえば、同社の事業をぴったり表すカテゴリーはない。石川氏は「業務改善サービス業」と表現することもあるという。

「そんなカテゴリーはないと言われますが、それでいいと思っています。何をしている会社なのだろうと興味を持ってもらうことも、一つの狙いです」

社員一人ひとりが、自分の言葉でカイゼンを語る

カイゼンを会社のスローガンだけで終わらせないためには、社員一人ひとりが、その意味を考える必要がある。

アルファテックスでは、カイゼンについて語り合う座談会を設けている。比較的入社歴の浅い社員から中堅社員までが参加し、自分にとってのカイゼンとは何かを話し、ほかの社員や経営陣の考えを聞く。

理解度を一方的に確認するのではなく、異なる考えに触れながら、自分の言葉をつくることを重視している。

「最近では、お客様に対しても『私たちはカイゼンの専門家集団です』と言い切るようにしています。そうすると、お客様から意味を聞かれることもあります。そのときに、それぞれが自分なりに説明できなければいけません」

カイゼンという言葉は、採用活動でも活用している。専門的な業界用語とは異なり、学生でも大まかなイメージを持ちやすい。一方で、掘り下げれば奥が深く、会社としての姿勢や仕事への向き合い方を伝えられる。

社内への浸透と並行して取り組んでいるのが、顧客や市場に対する認識の転換だ。

既存顧客に対しては、同社が提供するサービスや今後目指す方向性を、ニュースや日々のコミュニケーションを通じて伝えている。経理業務を任せる会社という認識から、バックオフィス全体の課題を相談できる会社へ、少しずつイメージを塗り替えているところだ。

まだアルファテックスを知らない企業に対しては、公式サイトやSNS、YouTube、メディア掲載などを通じて接点をつくる。まず存在を知ってもらい、そこから同社の考え方への理解を深めてもらう。

こうした地道な取り組みそのものも、同社にとってのカイゼンの一つといえる。

サービスではなく、思想への共感から始まる営業

アルファテックスの公式サイトは、提供する製品や機能を前面に押し出す構成にはなっていない。

以前の公式サイトでは、同社の製品や「何ができるのか」を分かりやすく掲載していた。しかし、現在のサイトへリニューアルする際、製品を中心とした見せ方を大きく改めた。

「分かりにくくなった部分はあるかもしれません。ただ、何を提供しているかよりも、どのような思いで事業をしているかに焦点を当てました。私たちが取引したいお客様には、まず考え方に共感していただくことが大切だからです」

バックオフィス支援では、顧客企業の内部情報に深く触れる。経理であれば、個人に例えると財布や銀行口座を他人に見せるようなものだ。人事情報や社内システムも同様に、外部には容易に公開できない情報である。

だからこそ、サービスの機能や価格だけで、依頼先を決めることは難しい。

「この会社になら見せてもいい、任せてもいいと思っていただくためには、信頼や安心感、誠実さが必要です。そういう会社であることはもちろん、それが伝わる表現をしていかなければいけません」

実際、新規顧客との接点は、既存顧客からの紹介が多い。取引先の担当者が別の会社へ転職し、新しい職場でもアルファテックスに声をかけるケースもある。過去の支援を通じて築いた信頼が、次の取引へとつながっている。

近年は、管理会計や業務可視化に関するソリューションを持つ企業との連携も増えている。パートナー企業の製品やサービスをきっかけに相談を受け、アルファテックスが業務の設計や導入、定着までを支援する形だ。

一方、公式サイトからの直接的な問い合わせは、以前より少なくなったという。

石川氏は、企業がサービスを探す方法そのものが変化していると見る。検索エンジンで公式サイトを見つけて直接問い合わせるだけでなく、SNSや外部メディア、パートナー企業、AIによる情報提示など、複数の接点を経由して企業を知るようになった。

一度の接触ですぐ問い合わせにつながるとは限らない。複数の場所でアルファテックスの名前や考え方に触れ、少しずつ認知と信頼を積み上げた結果、指名検索や相談へと至る。

営業とマーケティングの手法が変わっても、最後に問われるのは「重要な業務を任せられる相手かどうか」である。その判断を支えるのが、日々の支援で築いた実績と、発信を通じて伝えてきた思想なのだ。

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