三鷹光器、現場の「なぜ」から生み出す独自のものづくり

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天体望遠鏡や宇宙開発関連の光学機器から、測定機器、医療機器、再生可能エネルギーまで、複数の領域でものづくりに取り組む三鷹光器株式会社。その代表取締役を務める中村勝重氏の話を聞いていると、事業領域が変わっても繰り返し登場する言葉がある。「現場」と「なぜ」だ。

必要なものを考えるなら、会社の中だけで考えていてはいけない。実際に困っている人がいる場所へ行き、何が起きているのかを見る。そして、自分の頭で考える。

製品開発から営業、さらにこれから手がけたい領域まで、中村氏のものづくりは一貫して現場から始まっている。三鷹光器は顧客とどのように向き合い、そこで得た気づきをものづくりへつなげているのか。中村氏に聞いた。

■Interviewee

三鷹光器株式会社 代表取締役 中村 勝重氏

「なぜ」と考えることが、ものづくりの原点

三鷹光器のものづくりについて尋ねると、中村氏はまず、与えられたものをそのまま作るのではなく、「何に困っているのか」を考えることの大切さを語った。

「テーブルの上には設計図はない。会社で考えるのはおかしい。現場で困っていることを形にするということは、すごく素晴らしいことだと思っています」

この考え方は、会社を始めた後に生まれたものではなく、中村氏にとって以前からの原点だという。

その根にあるのが、「なぜ」と考える姿勢だ。

中村氏は、光学について多くの知識を覚えることよりも、光が当たって反射するときの基本的な仕組みを理解し、そこから考えることを重視してきたと話す。子どもの頃の遊びや自然の観察についても、失敗ではなく「経験」と捉えている。

「なぜ、なぜというところが、ものづくりの原点です」

知っている答えを当てはめるのではなく、目の前で起きていることを見ながら、自分で考える。それが中村氏のものづくりの出発点になっている。

手術室で見えた、言葉だけでは分からないこと

現場を見るという考え方が端的に表れているのが、医療機器の開発だ。

三鷹光器は手術用顕微鏡などを手がけているが、中村氏は製品を考える際、医師から要望を聞くだけでは十分ではないと話す。

「いくら言葉で聞いても、なかなか分かるものじゃないです」

実際の手術室には、医師だけでなく看護師をはじめ複数の人がいる。機器がどのように動かされ、誰がどのような負担を感じているのか。中村氏は現場を見ることで、言葉だけでは把握できなかった状況に気づいていったという。

手術顕微鏡についても、中村氏が当初目を向けたのは医師だけではなかった。周囲で機器を扱う看護師の様子を見て、「看護師のために手術顕微鏡を作ってあげたい」と考えたと振り返る。

現在、三鷹光器では手術用顕微鏡や手術支援装置など複数の医療機器を展開している。

こうした製品を生み出すうえで、顧客先で聞いた話を社内へ戻すことも重視している。社員が病院などへ出向けば、翌朝に「こんなことを言われた」「こういうことがあった」と話すよう促す。地方にいる営業担当者も集まり、ホワイトボードを使いながら話し合う機会を設けているという。

現場へ行き、見たことや聞いたことを持ち帰る。そこからまた考える。その繰り返しが、三鷹光器の日々のものづくりにつながっている。

営業は、お客様に「なるほど」を何度言わせられるか

現場を重視する姿勢は、営業にもつながっている。

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