目次
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AI時代のSEO再考① -検索トラフィックが激減している理由とは?
AI時代のSEO再考② -Google AI Modeとは何か?そして、何が変わったのか?
AI時代のSEO再考③ - Webサイトは搾取されている?AI時代の情報戦略とは
SEOの限界が見え始めた今、次に進むとき
2025年、私たちは明確に"次のステージ"に立っている。GoogleのAI Mode(SGE)の登場によって、従来の検索行動が大きく変わり、SEOによるトラフィック獲得のロジックは根本から揺らいでいる。
検索で上位に表示されても、クリックされない。記事が読まれなくても、情報だけがAIに吸収される。コンテンツが、流入やコンバージョンに直結しない――。
こうした変化に直面している今、私たちがやるべきことはただ一つ。Google以外のルートから、ユーザーとの接点を自ら築くことである。
本記事では、"脱SEO依存"のトラフィック戦略を実践的に紐解いていく。
「検索に見つけてもらう」前提が崩壊した
これまでのSEO戦略は、次のような前提で成り立っていた。
- ユーザーは検索する
- 自社のページが上位に出る
- クリックされ、記事が読まれる
- そこから資料請求や相談へつながる
しかし、GoogleのAI Modeによって、検索→クリック→読了→行動という"集客の導線"が途中で切れてしまうようになった。
特に、AIによって要約される情報提供型のコンテンツでは、以下のような問題が生じている。
- ページの設計やCTAが反映されない
- 情報の中身だけが抽出され、完結される
- 出典としてのリンクが表示されても、クリック率は極めて低い
もはや「SEOを頑張れば集客できる」時代ではない。検索ありきの設計から脱却することが、あらゆるWeb施策に求められている。
「見つけられる」から「届けにいく」へ
検索は「ユーザーが能動的に調べる」手段だった。それに対し、これから求められるのは、自社が能動的にユーザーと接点をつくることである。
その手段は、すでに私たちの身の回りにある。
チャネルの多様化こそ、脱SEO戦略の第一歩
チャネル | 特徴・活用例 |
---|---|
SNS(X, Instagram, LinkedIn) | 発信型チャネル。リアルタイム性、拡散性が高く、直接的な接点が築ける |
YouTube/Podcast | 音声・映像はAIによる要約が難しく、没入型コンテンツとして差別化できる |
メールマガジン/LINE公式 | 一度接点を持ったユーザーに、定期的に情報を"届ける"仕組みが構築できる |
オンラインイベント/セミナー | 一時的な注目を集めるだけでなく、参加者との関係性を築くタッチポイントになる |
提携・外部メディア活用 | 業界メディア、ニュースメディアなどからの流入経路の多角化 |
SEOが「受け身の集客」だとすれば、これらは"攻めの接点設計"である。Googleに頼らず、自社の考え方・価値観・課題解決力を届ける仕組みを、複数のチャネルで持つことが重要だ。
「戻ってきたくなる場所」を育てる
単発の接点をいくら増やしても、それが"関係性"にならなければ意味がない。AI時代のトラフィック戦略では、「再訪」を前提に設計することが不可欠である。
たとえば以下のような仕組みが考えられる。