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BtoB営業で成果が出ない本当の理由──KPIを超える5つの指標設計術

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毎週の営業会議でKPIをチェックしているのに、なぜか成果が出ない──そんな“数字だけが先行する営業”になっていませんか?本当に必要なのは、「数字を追うこと」ではなく「行動を変える指標」です。

本記事では、営業成果を根本から改善する“指標設計の新常識”を、現場視点で解説します。

目次

  1. KPIが機能しない営業現場の共通点とは
  2. 成果につながる!営業指標設計5つの新常識
  3. 指標再設計のメリット・デメリット
  4. 【活用事例】指標を見直して成果を劇的に改善した現場
  5. 明日から使える!指標設計の見直しステップ
  6. まとめ:数値管理から“価値提供”型営業への転換を

KPIが機能しない営業現場の共通点とは

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多くの営業組織が「KPIを明確にすれば成果が出る」と信じて疑いません。

しかし現実は、「目標を追っているのに売上が上がらない」「メンバーのモチベーションが低い」など、KPIの限界を感じている現場が増えています。

よくある失敗パターン

  1. KPIの達成が“目的化”している
    →本来、KPIは「目的達成のための手段」であるにも関わらず、「アポ◯件」「訪問◯件」などの数字だけが一人歩きし、行動の質が置き去りにされています。
  2. KPIとKGI(最終ゴール)との関連性が薄い
    →KPIの数字がいくら良くても、最終的な売上や契約に結びついていなければ意味がありません。
  3. 数値偏重で、行動の“質”が見えない
    →数をこなすことに集中しすぎるあまり、「どんなヒアリングをしたのか」「顧客の反応はどうだったのか」といった本質的な活動が可視化されていないのです。
  4. メンバーごとの営業スタイルが違い、KPIがフィットしていない
    →属人的な営業が色濃く残る組織では、画一的なKPIでは成果につながりません。現場に即した指標設計が必要です。

これらの課題を解決するには、KPIに加えて、より柔軟かつ多角的な「新たな営業指標設計」の導入が必要です。

成果につながる!営業指標設計5つの新常識

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では、KPIだけに依存しない、成果直結型の指標設計とは何でしょうか。ここでは、BtoB営業組織が今取り入れるべき5つの新常識を紹介します。

1. KPIは“行動を変える装置”として設計する

ただ「数を追う」だけのKPIでは、現場は疲弊する一方です。

重要なのは、KPIがメンバーの“行動選択”に影響を与えるかどうか。つまり「何をすればいいか」が明確になるKPIでなければ意味がありません。

  • Before:「週10件訪問」だけをKPIに→とにかく数稼ぎで質が低下
  • After:「週10件訪問+提案受容率◯%」→ヒアリング・提案の質を意識した行動に変化

2. KGIとのロジックツリーを明確にする

営業KPIの多くは、“なんとなく”設定されがちです。しかし、KGI(売上や契約)との関係が曖昧なKPIは、どれだけ達成しても成果につながりません。

重要なのは、KGIから逆算して「どの数字がどこで効いてくるのか」を論理的に整理すること。これが、戦略的に動ける営業組織の第一歩です。

  • Before:アポ件数を増やす施策を実施 → 商談化せず空振り多数
  • After:KGI(売上)→成約率→商談数→アポ率と逆算 → 商談数の不足がボトルネックと判明し、中間指標強化に着手

KPI・KGI・KCIの違い

指標名 フル名称 内容
KGI Key Goal Indicator 最終目標となる成果 売上、契約件数など
KPI Key Performance Indicator 成果達成に向けた行動量の中間指標 商談数、訪問数など
KCI Key Communication Indicator 営業の“質”を可視化する定性指標 ヒアリングの深さ、顧客の関心レベル

3. 定性的な指標(KCI)を導入する

商談数や訪問数だけで、営業の価値は測れません。顧客の課題をどれだけ深く引き出せたか?提案はどれだけ刺さったか?といった、“営業の中身”を可視化するのがKCI(Key Communication Indicator)です。

数字に現れない“伝える力・聴く力”を評価することで、営業の質が底上げされていきます。

  • Before:商談件数は増えたが、受注率は横ばい → 内容不明、改善の打ち手なし
  • After:「課題の明確化度」「顧客の関心レベル」などをKCIとして可視化 → 提案精度が上がり、受注率が約2倍に改善

4. 営業プロセスをフェーズ分解してKPIを設計する

「アポ件数」「受注数」だけで営業を評価していませんか?それでは、どの段階に課題があるのか把握できず、改善アクションが後手に回ります。

営業プロセスをフェーズごとに分解し、それぞれに指標を設定することで、ボトルネックの可視化と即時対処が可能になります。

  • Before:アポ数と受注数だけで管理 → 商談が進まない理由が不明
  • After:初回接触→ヒアリング→提案→クロージングの4フェーズにKPIを設定 → 課題把握フェーズに改善余地ありと判明、資料改善で提案成功率が向上

5. 組織全体で「意味のある数字」を共有する

営業だけが数字を追っても、成果には限界があります。マーケティング・インサイドセールス・カスタマーサクセスなど、他部門との連携指標を持つことで、組織としての成果が加速します。

指標を「営業のもの」から「組織全体のもの」へ。部門間の壁をなくす視点が求められています。

  • Before:インサイドセールスから営業への引き継ぎが属人的 → 商談化率が低迷
  • After:「MAスコア × パス率 × 成約率」の横断指標を設定 → スコア基準の明確化と連携ルールの統一で商談精度が改善

指標再設計のメリット・デメリット

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指標を再設計することで、営業組織には多くのポジティブな変化が期待されますが、一方で、注意点も存在します。

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