時価総額1兆円超、子供デパート、新卒倍率150倍、平均年収2000万円――ヒューリックの強さをマーケティング視点で読み解く

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「ヒューリック」という会社をご存じでしょうか?

普段の生活で名前を目にする機会は少ないかもしれませんが、実は今、日本のビジネス界で最も注目を集める企業の一つです。

その理由は、時価総額1兆円超の巨大企業でありながら、斬新な事業展開と圧倒的なブランド力、そして人材面での異次元の人気と待遇にあります。

目次

  1. 1兆円企業の実力
  2. 「子供デパート」――少子化時代にあえて挑む新規事業
  3. 新卒倍率150倍の人気と、平均年収2000万円の衝撃
  4. マーケティング視点で見るヒューリックの強さ
  5. まとめ|ヒューリックの未来はどこへ?

1兆円企業の実力

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ヒューリックの時価総額は、2025年6月時点で1兆円を超えています。これは日本の上場企業約4,000社の中でもトップ50に入る規模で、名だたる大企業と肩を並べる存在です。

不動産業界の中でも、都心・駅近の一等地に特化したビジネスモデルで安定した成長を続けているのが特徴です。

「子供デパート」――少子化時代にあえて挑む新規事業

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2025年4月、ヒューリックは「こどもでぱーと」という全く新しい施設を東京・中野やたまプラーザにオープンしました。

この施設は“モノを売らないデパート”として、学習塾や英語教室、運動、保育など、子ども向けの教育・サービスをワンストップで提供する拠点です。

少子化が進む中、なぜ子ども向け事業なのか?

ヒューリックは「子どもの教育」と「親の負担軽減」を両立する新しい子育てインフラを提案し、社会課題をビジネスチャンスに変えています。

この発想の転換こそ、同社のマーケティング力の象徴です。

新卒倍率150倍の人気と、平均年収2000万円の衝撃

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ヒューリックの新卒採用倍率は「150倍」とも言われています。

これは大手食品メーカーやエンタメ企業と並ぶ水準で、「狭き門」として就活生の憧れになっています。

なぜここまで人気なのか?

その理由の一つが、平均年収2000万円という日本屈指の高待遇です。

日本人の平均年収は約458万円、正社員でも531万円程度ですから、ヒューリックの水準はその4倍近く。まさに“超エリート企業”と呼ぶにふさわしい数字です。

マーケティング視点で見るヒューリックの強さ

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1. ターゲットの明確化と差別化

ヒューリックは「都心・駅近」という明確なターゲットに絞り、競合が手を出しにくい高収益エリアに集中投資。ブランド価値と収益性を両立しています。

2. 社会課題をビジネスに変える発想

「こどもでぱーと」は、少子化や共働き家庭の増加といった社会課題を先取りし、教育・子育て支援という新たな市場を切り拓いています。単なる不動産業ではなく、“社会インフラ”を創る企業へと進化しています。

3. 圧倒的なブランドと人材力

高収益・高待遇・高倍率という三拍子がそろい、優秀な人材が集まる好循環を生み出しています。これがヒューリックの持続的成長のエンジンです。

まとめ|ヒューリックの未来はどこへ?

時価総額1兆円超の規模に甘んじることなく、社会の変化を先読みし、次々と新しい価値を生み出し続けるヒューリック。「不動産会社」の枠を超え、教育や子育て、働き方改革など、私たちの生活そのものをアップデートする企業へと進化しています。

今後もヒューリックのマーケティング戦略から目が離せません。

“社会課題をビジネスチャンスに変える”――この発想こそ、現代マーケティングの最前線です。

著者プロフィール

安藤 芳樹

安藤 芳樹
「セブンチャート仕事術」開発者。セブンチャートインストラクター、オフィスミラクス代表

広告代理店(ADK)に勤務しながらドラッカーを実践。「5つの質問」で企業トップとの事業の定義を合意しながら経営者視点で商談を進め顧客に認められる。40歳の頃、ビジネス観や人生観に普遍の基盤をもちたくドラッカーに目覚める。その知見体得のために試行錯誤してたどり着いたのが「セブンチャート仕事術」。その体得のためにやった反復訓練は30000ページのチャートを作るにいたり、今も増殖中。さぬきうどんブームの仕掛け人であり、映画「UDON」のトータス松本の役柄モデルでもある。立教大学卒業。2021年12月23日 初の著書「チャートで考えればうまくいく」を上梓。

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