思わぬ客が思わぬ用途で買ってくれる!これが本当の客である?

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こんにちは、皆さん!今日は「現場の声を拾う大切さ」についてお話ししたいと思います。私たちがビジネスを進める上で、顧客のニーズを理解することは非常に重要です。

特に、マーケティングの専門家として、現場の声に耳を傾けることが成功の鍵だと感じています。

目次

  1. ヤマハの電動アシスト自転車の事例
  2. コンセプトの変更と成功
  3. ドラッカーの教え
  4. 現場の声を拾うために
  5. まとめ

ヤマハの電動アシスト自転車の事例

まず、ヤマハの電動アシスト自転車の事例を紹介します。初めてこの自転車が市場に出たとき、ターゲットはシニア層でした。しかし、販売店からのフィードバックを聞くと、全く売れないという現実がありました。「もっと馬力が欲しい」という声が多く寄せられたのです。

ここで重要なのは、なぜそのような声が上がったのかを問いかけることです。販売店での会話を通じて、実際には子育て中のお母さんたちがこの自転車を使っていることが分かりました。彼女たちは、子供を乗せて幼稚園の送迎やお買い物に行くために、この自転車を利用していたのです。

コンセプトの変更と成功

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この気づきが、ヤマハにとっての転機となりました。ターゲットをシニア層から子育て中のお母さんに変更し、「子供載せ」という新しいコンセプトを打ち出しました。さらに、子供を安全に乗せるための器具の開発や、馬力を強化するなどの改良を行いました。

その結果、ヤマハの電動アシスト自転車は今や年間80万台も売れるヒット商品となりました。この成功の裏には、現場の声に耳を傾けたことが大きな要因としてあります。

ドラッカーの教え

経営の神様、ピーター・ドラッカーさんは「最初に設定した客以外に、思わぬ客が思わぬ用途で買ってくれる、これが本当の客である」と述べています。

この言葉は、私たちが顧客の声を無視してはいけない理由を示しています。現場の声を拾うことで、私たちは新たな市場を発見し、ビジネスを成長させることができるのです。

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現場の声を拾うために

では、具体的にどのように現場の声を拾うことができるのでしょうか?以下のポイントを参考にしてみてください。

①フィードバックを求める

顧客からの意見や感想を積極的に求めましょう。アンケートやインタビューを通じて、リアルな声を集めることが大切です。例えば、製品を購入した顧客に対して、使用後の感想を尋ねることで、改善点や新たなニーズを見つけることができます。

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②販売店とのコミュニケーション

販売店や代理店との定期的なコミュニケーションを行い、現場の声を直接聞く機会を増やしましょう。販売店は顧客と接する最前線にいるため、彼らの意見は非常に貴重です。定期的に訪問し、彼らの観察や顧客からのフィードバックを聞くことが重要です。

③市場調査を行う

定期的に市場調査を行い、競合他社の動向や顧客のニーズを把握することも重要です。市場調査を通じて、顧客が求めているものや、競合他社が提供しているサービスを理解することで、自社の戦略を見直すことができます。

④試作品を使ったテスト

新しい商品やサービスを開発する際には、試作品を顧客に使ってもらい、その反応を見て改善点を見つけましょう。顧客の意見を反映させることで、より良い製品を作り上げることができます。

⑤SNSやオンラインコミュニティの活用

現代では、SNSやオンラインコミュニティを通じて顧客の声を集めることが容易になっています。顧客がどのように商品を使用しているのか、どのような意見を持っているのかを観察することで、貴重なインサイトを得ることができます。例えば、InstagramやTwitterでのハッシュタグを活用し、顧客の投稿を追跡することができます。

⑥顧客との対話を重視する

顧客との対話を重視し、彼らのニーズや期待を理解することが重要です。顧客との関係を築くことで、より深い理解が得られ、ビジネスの改善につながります。定期的に顧客とのミーティングを設け、彼らの意見を直接聞くことが効果的です。

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⑦データ分析の活用

顧客の行動データや購買履歴を分析することで、彼らのニーズを把握することができます。データ分析を通じて、どの製品が人気で、どのような傾向があるのかを理解することができ、マーケティング戦略の見直しに役立ちます。

⑧顧客体験の向上

顧客の声を反映させることで、顧客体験を向上させることができます。顧客が求めるサービスや機能を提供することで、リピート率を高め、ブランドの信頼性を向上させることができます。

まとめ

現場の声を拾うことは、私たちのビジネスを成功に導くための重要なステップです。顧客のニーズを理解し、彼らの期待に応えることで、私たちはより良い商品やサービスを提供することができます。

皆さんもぜひ、顧客の声に耳を傾けて、新たな発見をしてみてください。これからも一緒に成長していきましょう!


著者プロフィール

安藤 芳樹

安藤 芳樹
「セブンチャート仕事術」開発者。セブンチャートインストラクター、オフィスミラクス代表

広告代理店(ADK)に勤務しながらドラッカーを実践。「5つの質問」で企業トップとの事業の定義を合意しながら経営者視点で商談を進め顧客に認められる。40歳の頃、ビジネス観や人生観に普遍の基盤をもちたくドラッカーに目覚める。その知見体得のために試行錯誤してたどり着いたのが「セブンチャート仕事術」。その体得のためにやった反復訓練は30000ページのチャートを作るにいたり、今も増殖中。さぬきうどんブームの仕掛け人であり、映画「UDON」のトータス松本の役柄モデルでもある。立教大学卒業。2021年12月23日 初の著書「チャートで考えればうまくいく」を上梓

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