人が品質をつくる──アサンテの営業現場に学ぶ、暮らしを支える提案力

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白蟻防除のパイオニアとして全国展開を進める 株式会社アサンテ。営業の原点は、紙の地図を片手に一軒一軒を訪ねる現場主義にある。上場企業としての信頼性と、住宅メンテナンス業界における品質標準の確立──人にしかできない仕事をどう仕組みにし、価値に変えているのか。営業と組織の両面からその真髄を探る。

紙の地図から始まる、現場起点の営業戦略

アサンテの営業現場では、いわゆる“ローラー営業”が今も基本だ。かつては紙の地図を片手に、地域を一軒ずつ歩き、声をかけ、点検のニーズを聞き出していた。現在ではタブレット端末を導入し、電子地図上で見込み顧客の情報や行動履歴、アフター点検スケジュールなどを一元管理している。

一方で、地域展開においてはJA(農協)との提携も重要な戦略となっている。「JAの取扱い企業として動いているところもあり、JAとの提携が進むとその地区のテリトリーが広がる」と宮内氏は説明する。地方では信頼できる住宅メンテナンス業者の選択肢が限られる中、地域に根ざした組織との連携により営業効率を高めている。

また、営業社員が持つ情報が属人化しないよう、あらゆる活動履歴をデジタルに蓄積。接客履歴や工事内容、お客様対応の履歴もすべてが営業チーム内で共有されることで、誰が対応しても品質のブレが生じない体制を構築した。

「もしも自分の家の床下にシロアリがいたら、一日も早く対処してほしいというのが、多くの方の自然な気持ちではないでしょうか。それに応えるためには、迅速な対応が不可欠です」と語るのは、社長の宮内氏。営業は単なる売上獲得ではなく、“安心と信頼を届ける人”という位置づけなのだ。

“人”を売るビジネス──品質を担保する人材育成の仕組み

現場に出る前、営業社員はまず工事部門の仕事を経験する。床下に潜り、施工の流れや薬剤の種類、安全配慮を体感し、「どんな施工が必要か」を自分の言葉で説明できるようにするためだ。

その後もOJTや同行営業、社内研修を繰り返し、営業として独り立ちするまでに3〜6か月をかける。スキルだけでなく、接遇や礼節といった「人柄の部分」も重要視されており、福島・静岡に構える研修センターでは、実技と座学を織り交ぜた集中教育が実施されている。

また、新卒・中途を問わず、育成フェーズごとに期待値を明示し、成長度を可視化。営業社員の個人差に応じて成長をサポートできる体制も整えられている。

選ばれる理由は「速さ」と「誠実さ」

アサンテの施工価格は、業界の中では決して安くない。それでも「御社に頼みたい」と選ばれる理由はどこにあるのか。

そのひとつが“迅速な対応力”だ。白蟻やネズミといった衛生被害は待ったなし。住まいの中で不安を抱える顧客にとって、すぐに駆けつけ、丁寧に説明し、早期に対応できるかどうかが決め手となる。

もうひとつが“誠実な説明力”である。見えない床下の世界で不安を感じる顧客に対して、「なぜ施工が必要なのか」「どんな方法で対応するか」「リスクや注意点は何か」を分かりやすく説明できる営業が、顧客の信頼を得ている。

「羽アリのシーズンには多くの問い合わせをいただき、相見積もりの状況になることも多い。それでも『高いけれど、今までの調査や対応を見て、やっぱりアサンテさんにお願いしたい』と選んでいただくケースがあります」

「価格的には高いのですが、それに見合った丁寧な営業対応と確実な施工品質で選んでいただいています」という言葉には、現場に根ざした強さがある。

属人性を乗り越える営業DX──タブレット×顧客接点の高度化

営業活動で発生するすべての接点情報は、タブレットを通じてクラウドに集約されている。訪問履歴やアフター点検スケジュール、過去の施工履歴に加え、接客時の気づきやお客様の特性までもデータベース化されている。

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