『生成AI時代、BtoBマーケティングはどう変わるのか』
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第1回|検索流入減少の裏で、BtoBマーケティングに起きていること
「検索が使えなくなった」という誤解
第1回では、検索流入の減少そのものではなく、検索を起点にしたマーケティングの前提が揺らいでいることを整理しました。
この話をすると、よく返ってくるのが、次の反応です。
「やはり、検索はもう期待できないということですよね」
「SEOは縮小すべきなのでしょうか」
しかし、ここで話を単純化してしまうと、再び“ズレた打ち手”に向かうことになります。
生成AIが登場したからといって、検索エンジンそのものが急に無価値になったわけではありません。
生成AIが変えたのは「検索」ではない
生成AIの普及によって、確かに検索体験は変わりました。
- 検索結果を一つずつ開かなくなった
- 要点だけを先に把握するようになった
- 比較検討の初期段階が短くなった
ただし、ここで起きている変化を「検索が不要になった」と捉えるのは正確ではありません。
変わったのは、検索の役割です。

かつて、検索は「思考の起点」だった
これまでのBtoBマーケティングにおいて、検索は思考のスタート地点でした。
- 課題を感じたら検索する
- 複数の記事を読み比べる
- 自分なりに整理し、検討を深める
このプロセスの中で、企業の考え方やスタンスに触れ、「この会社は信頼できそうだ」という印象が形成されていきました。
つまり、検索は情報収集と判断が同時に進む場だったのです。
生成AI以降、検索は「確認の場」になった
一方、生成AIが一般化した現在、多くの人は検索の前に「答えの要約」に触れます。
そこで得られるのは、それらしい結論、無難な整理、平均的な選択肢です。
その上で検索が使われるとすれば、それは「裏取り」や「確認」のため。
この変化によって、検索は思考を深める場から、結論を確認する場へと役割を変えつつあります。
前提が変わったのに、設計は変わっていない
問題は、多くのBtoB企業がこの変化に気づかないまま、従来と同じ設計を続けている点にあります。
- 検索で見つけてもらう
- 記事で理解を促す
- フォームへ誘導する
この流れは、検索が思考の起点だった時代には非常によく機能していました。
しかし、検索が「確認の場」になった今、同じ設計をしても期待した反応は得られません。

「正しい情報」だけでは、選ばれない
生成AIは、多くの場合、正しく分かりやすい情報を提供してくれます。
その結果、情報の正しさ・網羅性・整理のうまさといった要素は、以前ほど差別化にならなくなりました。
検索結果に並ぶ記事は、どれも「それなりに正しい」。この状況で、単に情報を追加し続けても、印象に残ることは難しくなります。
変わったまま、走り続けていないか
生成AIによって起きているのは、検索の終焉ではありません。
「検索を起点にすれば検討が進む」という前提の終焉です。
前提が変わったにもかかわらず、設計だけが昔のままなら、努力が成果に結びつかないのは当然です。