検索流入減少の裏で、何が起きているのか|Vol.1

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検索が効かなくなった、という違和感

最近、BtoB企業のマーケティング担当者や経営者と話していると、 必ずと言っていいほど、こんな言葉が出てきます。

「検索からの流入が、以前ほど伸びなくなってきた気がする」

数字を見れば、急落しているわけではありません。 それでも、「何かがおかしい」という感覚だけは、はっきりと共有されています。

記事は増やしている。SEOもやっている。 にもかかわらず、以前のような手応えがない。 この違和感こそが、いま多くのBtoB企業が立っている地点です。

動いたはずなのに、手応えがない

変化を感じた企業は、当然ながら動きます。

  • 記事本数を増やす
  • キーワード設計を細かく見直す
  • SEO施策をもう一段強化する

これらは、過去に成果を出してきた正攻法です。 実際、間違った判断ではありません。

ただ、そうした施策を積み上げるほど、 「やっているのに報われない」 という感覚が強まっていく企業も少なくありません。

動いている。けれど、前に進んでいる実感がない。 このズレが、焦りを生みます。

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問い直すべきは「何をやるか」ではない

検索流入が減ったとき、議論はすぐに「次の一手」に向かいます。 しかし、本来立ち止まるべきなのは、そこではありません。

問うべきなのは、 どんな前提でマーケティングを組み立ててきたのか という点です。

多くのBtoB企業は、無意識のうちに、次の前提を共有してきました。

  • 課題を持った人は、まず検索する
  • 検索で見つけてもらえれば、検討の土俵に上がれる
  • 良質な記事を出し続ければ、問い合わせは増えていく

この前提は、長い間、確かに機能していました。

当たり前だった前提が、静かに崩れ始めた

ところが今、同じ設計を続けていても、以前ほど成果が出なくなっています。

生成AIの普及によって、 人は「調べ続ける」よりも「要点をつかむ」ことを 優先するようになりました。

その結果、 どの企業の情報か/誰が語っているのか という文脈が、以前より弱くなります。

ここで重要になるのは、 見つけてもらうことより、思い出してもらうことです。

数字が示すものと、成果とのズレ

アクセス数や検索順位は、分かりやすく報告しやすい一方で、 事業成果と必ずしも一致しません。

検索流入が増えても商談につながらない。 問い合わせは来ても決裁者に届かない。 そうした「ズレ」が、以前よりも目立つようになってきました。

検索流入が減っていること自体が問題なのではありません。 本当に見直すべきなのは、 「検索を起点にすれば自然と商談につながる」 という考え方そのものです。

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変わったのは「検索」ではなく「前提」

検索がなくなるわけではありません。 オウンドメディアも不要にはなりません。

ただし、それらは 「かつての役割のまま」では機能しなくなっている。 これが、生成AI時代の出発点です。

では、何が変わり、何が残るのでしょうか。

「集める」設計が行き詰まる理由

これまでのBtoBマーケティングは、 「どう集めるか」を中心に設計されてきました。

検索で見つけてもらい、記事で理解を促し、フォームへ誘導する。 この流れ自体が無効になったわけではありません。 ただ、それだけでは足りなくなっています。

生成AIが変えたのは、入口ではなく判断だ

生成AIは、検索エンジンを置き換えたわけではありません。 しかし、意思決定のプロセスには確実に影響を与えています。

比較検討の前に要点が整理され、選択肢が並べられる。 結果として、「どれを選ぶか」の判断だけが残りやすくなります。

このとき重要になるのは、情報の正しさだけではありません。

どの企業の情報か/誰が語っているのか/その会社の立ち位置は何か といった「認識」です。

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流入が減っても、商談が途切れない会社

実際、検索流入が伸び悩む一方で、

  • 指名での問い合わせが増えている
  • 商談の質が上がっている

という企業も存在します。

彼らがやっているのは、SEOを捨てることでも、記事を減らすことでもありません。 接点を点で終わらせず、関係として積み上げる設計へ、 静かに移行しています。

次回予告

前提が変わったとき、マーケティングはどう変わるのか

次回は、生成AIがもたらした変化をもう一段掘り下げ、 「何が壊れ、何が残っているのか」を整理します。

著者プロフィール

渡辺 順也

渡辺 順也
株式会社イノベーター・ジャパン 代表取締役社長
社会構想大学院大学 コミュニケーションデザイン研究科 准教授

慶應義塾大学 商学部を卒業後、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(現・日立ソリューションズ)、株式会社サイバーエージェントを経て、2010年に株式会社イノベーター・ジャパンを創業。BtoB営業DXソリューション「Sales First」をはじめ、人のポテンシャルを最大限に引き出すことをパーパスに掲げた事業を展開。2017年から社会構想大学院大学の准教授として、デジタルコミュニケーションを専門として社会人教育にも従事。

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