クロージングの考え方が変われば受注率は上がる|BtoB営業の進め方・タイミング・失敗例

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「商談は盛り上がったはずなのに、なぜか受注に至らない」
「検討しますと言われたきり、連絡が途絶えてしまった」

BtoB営業に携わる方なら、誰もが一度はこうした経験をお持ちではないでしょうか。その原因の多くは、商談の最終局面である「クロージング」に対する考え方と進め方にあります。

BtoB営業におけるクロージングは、単に「契約書に印鑑をもらう儀式」ではありません。顧客の抱える不安を解消し、組織としての意思決定をサポートする「決断支援」のプロセスです。

本記事では、BtoB営業で確実に受注率を高めるためのクロージングの本質、具体的なステップ、そして明日から使える実践的なフレーズまでを徹底解説します。

目次

  1. クロージングとは?(営業における意味と役割)
  2. BtoB営業におけるクロージングの特徴
  3. クロージングがうまくいかない原因(よくある失敗)
  4. 受注率を高めるクロージングの考え方
  5. 営業クロージングの基本ステップ(BtoB向け)
  6. クロージングのタイミングはいつが正解か?
  7. BtoB営業で使えるクロージング例文(控えめ・実践型)
  8. クロージング後にやるべきこと(受注率を安定させる)
  9. まとめ|クロージングは“押す技術”ではなく“決断を支援する技術”

クロージングとは?(営業における意味と役割)

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クロージングの基本的な定義

クロージング(Closing)とは、直訳すれば「締めくくり」や「終結」を意味します。営業プロセスにおいては、顧客に対して契約(購入)の最終意思を確認し、商談を成約に導く行為を指します。

特にBtoB営業において重要なのは、「契約を取ること」そのものではなく、顧客が社内事情や条件を踏まえたうえで「YES/NOを判断できる状態」をつくることです。

クロージングとは、意思決定を急がせる行為ではなく、判断に必要な情報・安心材料・選択肢を整理し、顧客が自ら決断できる状態へ導くプロセスだと捉えるべきでしょう。

BtoCとBtoBでクロージングの意味がどう違うか

個人を相手にするBtoC営業と、企業を相手にするBtoB営業では、クロージングの性質が大きく異なります。

  • BtoC営業:
    目の前の「個人の感情や欲求」が決定打になることが多く、その場での即決を促す「クロージング技術」が重視される傾向にあります。
  • BtoB営業:
    決定権が複数人に分散しており、論理的な合理性、投資対効果(ROI)、リスク回避が優先されます。そのため、クロージングは「説得」ではなく「組織内の合意形成の仕上げ」という側面が強くなります。

「押し切る行為」ではないという誤解

未だに「クロージング=強引にイエスと言わせる技術」というイメージを持つ方がいますが、これは大きな誤解です。現代のBtoB営業において、無理な押し売りはキャンセルやクレームを招くだけでなく、企業のブランド価値を著しく毀損します。

真のクロージングとは、顧客が「導入すべき理由」を自分たちで納得し、自発的に一歩を踏み出すための背中を優しく押す行為なのです。

営業プロセス全体の中での位置づけ

クロージングは、ヒアリング、提案、課題解決の提示といったプロセスの「出口」です。入り口(集客)や道中(提案)がどれだけ素晴らしくても、出口が閉まっていなければ成果(売上)には繋がりません。営業プロセス全体を完結させるための、最も重要で繊細なプロセスといえます。

BtoB営業におけるクロージングの特徴

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BtoBの商談を成約に導くためには、法人特有の力学を理解する必要があります。

決裁者が複数存在する

BtoBでは、目の前の担当者が「やりたい」と言っても、その上司や役員、あるいは他部署(情報システム部や法務部など)の承認が必要になります。クロージングの対象は、目の前の担当者一人ではないことを忘れてはいけません。

稟議・予算・時期が絡む

企業には「予算サイクル」があります。どんなに良い提案でも、今期の予算がなければ契約は来期になります。また、社内稟議というフォーマルな手続きを通過させる必要があるため、クロージングには「顧客が社内で説明しやすい材料を提供すること」も含まれます。

感情だけで決まらないが、感情がゼロでもない

法人は論理で動きますが、最後にハンコを押すのは人間です。「この営業担当者なら信頼できる」「トラブルがあっても助けてくれそうだ」という心理的な安全性(エモーショナルな確信)が、最終的な決断を後押しします。

「即決」より「合意形成」がゴールになる

BtoB営業のクロージングにおける成功とは、その場でのサインではなく、「社内で導入に向けて動くことへの明確な合意」を得ることです。

クロージングがうまくいかない原因(よくある失敗)

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受注率が伸び悩む営業担当者には、共通する失敗のパターンがあります。

① いきなり契約の話をしてしまう

信頼関係が構築され、導入のメリットが十分に伝わっていない段階で「いかがでしょうか?ご契約いただけますか?」と切り出すのはNGです。顧客は「売り込まれている」と警戒し、心を閉ざしてしまいます。

② 顧客の不安・懸念を回収しきれていない

「運用が回るだろうか」「既存システムとの相性は?」「もし失敗したら誰が責任を取るのか」といった顧客の不安が残ったままでは、決断は下されません。沈黙や曖昧な返答の裏には、必ず言語化されていない懸念が隠れています。

③ 決裁プロセスを理解していない

「誰が最終決定権を持っているのか」「どのようなステップで承認が下りるのか」を確認せずにクロージングをかけようとするのは、暗闇でゴールを探すようなものです。

④ タイミングを見誤っている

早すぎると「強引な営業」だと思われ、遅すぎると競合他社に付け入る隙を与えたり、顧客の導入意欲(熱量)が冷めてしまったりします。

受注率を高めるクロージングの考え方

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テクニックに走る前に、まずはマインドセットをアップデートしましょう。

クロージング=「決断を助ける行為」

顧客は常に「変化」を恐れています。新しいものを導入するのはエネルギーが必要です。営業担当者の役割は、顧客が抱える「現状維持のバイアス」を解き、理想の姿へ向かうためのハードルを取り除いてあげることです。

顧客が判断できない理由を整理する

顧客が迷っているとき、それは「情報が足りない」か「リスクが怖い」かのどちらかです。何がボトルネックになっているのかを一緒に整理する姿勢が、信頼を生みます。

YES/NOを明確にすることの価値

クロージングの目的は、単に「YES」をもらうことだけではありません。「現時点では導入しない(NO)」という結論を明確にすることも、双方にとって価値があります。曖昧な「検討」を長引かせないことは、顧客の時間を尊重することでもあります。

無理に契約を迫らない方が結果的に受注率が上がる理由

「今はタイミングではない」と判断した顧客に対して、潔く引く姿勢を見せることで、「この人は売上のためではなく、自社の利益を考えてくれている」という強固な信頼が生まれます。その信頼が、半年後や一年後の受注、あるいは他部署への紹介に繋がるのです。

営業クロージングの基本ステップ(BtoB向け)

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BtoB商談を確実に着地させるための、5つのステップを紹介します。

【Step1】課題とゴールの再確認

「今回のプロジェクトの目的は、〇〇という課題を解決し、△ヶ月後には✕✕の状態にすることでしたよね」と、これまでの商談の総括を行います。目的の不一致を防ぐための土台作りです。

【Step2】提案内容への合意形成

「その課題に対し、弊社のサービスが有効であるという点については、ご同意いただけますでしょうか?」と、解決策としての妥当性を確認します。

【Step3】懸念点・不安の言語化

「進めるにあたって、現時点で懸念されていることや、社内でハードルになりそうな点はありますか?」と、あえてネガティブな要素を引き出します。ここで不安を出し切ってもらうことが重要です。

【Step4】決裁プロセス・スケジュールの確認

「仮に進めるとなった場合、社内ではどのような承認フローが必要になりますか?」「〇月から運用を開始するためには、いつまでに手続きを終える必要がありますか?」と、具体的な事務手続きと逆算スケジュールを確認します。

【Step5】次のアクションを具体化する

「では、次回の会議までに私の方で稟議用の資料を作成します。〇〇様は部長への打診をお願いできますか?」と、宿題を明確にして商談を終えます。

クロージングのタイミングはいつが正解か?

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「いつ切り出すか」は、営業担当者が最も悩むポイントです。顧客が発する「購買信号(バイイングサイン)」を見逃さないようにしましょう。

「このサインが出たらクロージング」の判断軸

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